ゲノム論文レビュー
馬に関する生物学・遺伝学分野の論文紹介
Review
2019年Cell誌に発表された、ウマの遺伝学を学ぶ上で重要な論文のひとつ。278点の古代ウマ科試料からゲノム規模データを取得し、そのうち129点では1倍以上のゲノムを得て、約5,000年にわたる馬の系統と人による管理を追跡した。過去の育種家が長く多様な遺伝資源を維持していた一方、現代品種では過去約200年に遺伝的多様性が約16%低下しており、近代的な繁殖慣行に伴う変化と結論づけている。
Azki's Note
競走馬の育種に引きつけて考えると、近年のスピード特化型の繁殖計画が多様性を狭めていないかという問題意識につながる。長期的に遺伝子がどう変遷しているのかの理解は重要。
Abstract Summary
278点の古代ウマ科試料のゲノム規模データを時系列で解析し、人間による馬の利用・管理・選抜が遺伝的多様性や系統構造に与えた影響を追跡した研究。現代品種での多様性低下に加え、現在の家畜馬にほとんど祖先を残さなかったイベリアとシベリアの系統も示した。
Citation
Fages, A. et al. Tracking Five Millennia of Horse Management with Extensive Ancient Genome Time Series. Cell 177, 1419–1435.e31 (2019).
- Journal
- Cell
- Year
- 2019
- DOI / Link
- 10.1016/j.cell.2019.03.049